V 放射性物質に汚染された廃棄物
福島第一原発事故後に発生した焼却灰からの放射性セシウムの溶出特性と埋立地に敷設される土壌層への吸着効果
発表者 独立行政法人国立環境研究所 石森 洋行
本研究では、東日本圏内の5か所の焼却施設を対象に、各施設で得た焼却灰からの放射性セシウムの溶出量を測定するとともに、焼却灰を埋め立てた場合に、溶出する放射性セシウムの拡散抑制手段を検討するために土壌への吸着性を評価した。その結果、主灰、飛灰、飛灰処理物、主灰・飛灰混合物の各々の溶出率の違いを明らかにし、また放射性セシウムに対する各種土壌の吸着能は、試験対象とした土壌の中ではベントナイトが最も高く、焼却灰溶出液中の共存イオンが存在する条件下でも、ある程度の吸着が見込めることを明らかにした。