II – 4.焼却と公害対策(環境負荷の低減)

73.ごみ焼却排ガスの中和処理用消石灰と塩化水素の反応機構に関する研究

発表者  北海道大学  黄 仁姫

 ごみ焼却排ガス中の HClの除去において、 HClと消石灰の反応生成物は塩化カルシウムと考えられてきたが、近年の研究では中間生成物の CaClOHが確認されている。本研究では焼却施設から採集した飛灰中の消石灰と HClとの反応生成物の形態について調査した。その結果、主な HClと消石灰の反応生成物はCaCl2ではなく CaClOHであることが判明した。その理由として排ガス中の HCl濃度よりも過剰に吹き込まれた消石灰によって CaClOHの生成反応が優先されること、 CaClOHと HClの反応速度が遅く CaCl2生成まで至らないことが挙げられた。

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(最終更新日:2017/10/31)